ラジオ番組 みんなの健康ラジオ
ステロイド外用薬について(放送内容 資料はこちら)
外用薬の効果を最大限に引き出し副作用をさけるためには、適切な使い方があります。
湿疹、かぶれ、虫刺されなどに対して用いられる代表的な外用薬である副腎皮質ホルモン、いわゆるステロイド外用薬についてお話しします。
ステロイド外用薬は5つの強さにわけられます。皮膚症状の炎症の度合い、部位、年齢によってどの強さを用いるかが選択され処方されています。
赤み、腫れ、かゆみのある場合はいずれの症状も消失し薄茶色の色素沈着となるまで、決められた量、回数で塗ることが大切です。塗ったあとにティッシュペーパーがはりつく程度の量が適切です。
広い範囲に塗る場合はFTU(fingertip unit)という考え方があります。チューブから出した軟膏、人差し指の第一関節分(1FTU)、約0.5gの薬で塗れる範囲が手のひら2枚分の面積になります。
ステロイド外用薬使用時の副作用は、通常塗った部位でおこるものになります。毛細血管拡張、にきびやおでき、細菌・カビ・ウイルスなどでの感染症、皮膚がうすくなる、といったものがあります。特に使用期間が長くなるほどおこりやすいのですが、副作用の種類、部位によっては数日でおこることもあるため注意が必要です。塗る期間については医師の指示に従ってください。
ステロイド外用薬は、からだの部位によって皮膚から吸収される程度が異なります。特に顔は吸収率が高い部位です。吸収されやすい部位ほど副作用もでやすいといえます。不必要な連用により、酒さ様(しゅさよう)皮膚炎といって油っぽいかさぶた、ニキビ、血管拡張が混じったような赤い炎症がおこることがあります。使用していたステロイドをあわててやめるとさらに炎症が強くなるリバウンド現象がおこることもあります。私達皮膚科医は、別の外用薬やにきびの治療にも用いるタイプの抗生薬内服などで治療を行いますが、治るまで時間を要することもあります。
また、ステロイド外用薬に関するよくある疑問で、誤解されやすい疑問の1つに、ステロイドを塗ると皮膚が黒くなる、というものがあります。むしろ、適切な治療をせずに炎症が長引くと色素沈着がおきて皮膚が黒ずんだりごわごわとした硬い皮膚になります。
皮膚疾患の治療で用いる機会が多いステロイド外用薬、その特徴を知って適切に使用し効果的な治療につなげましょう。
市販薬について(放送内容 資料はこちら)
我が国では健康上の問題が生じた場合、原則、皆様の判断で医療機関を受診していただくことが可能です。一方、ちょっとした健康上の問題の場合は、まずは市販されている医薬品を利用することによって解決することもあります。これをセルフメディケーションといいます。
皮膚疾患は自分の目で確認ができます。そのためまずは市販の外用薬で治療を考える場合もあるでしょう。
市販薬:OTC(Over The Counter)医薬品には、要指導医薬品、一般医薬品(第1・2・3類)があります。それぞれ効果、安全性の面から購入時のルールが決まっています。ステロイド外用薬、水虫などのカビの薬、保湿薬などは第2類医薬品になります。ステロイド外用薬については5段階ある強さの中で、市販薬は最も強くて3番目のものとなります。
皮膚疾患は皆様の目で確認することができますが、医師の診察を受けていないので予測した疾患そのものが適切ではないこともあります。ステロイド外用薬については、強さが病状に対して不足していたり、そもそもステロイド外用が適さない疾患である場合もありえます。足のかゆい病変をカビ(真菌)による病気である水虫と自己診断した患者さんの約3割は別の皮膚病だったというデータもあります。複数ある市販の水虫の真菌外用塗り薬は、基本的に処方医薬品と主成分が同じですが、医師処方薬が単一薬効成分を含んでいるのに対し、他の成分を含み、刺激やアレルギー反応でかぶれをおこすこともあります。
また、外用薬ではありませんが、軽いキズに対して、「湿潤療法」を行えるばんそうこう型のテープ薬(家庭用創傷パッド)が販売されています。「湿潤療法」は浅いキズの表面の環境を整えてキズをきれいに早く治すことを目標とする治療ですが、じくじくしたキズに何日も貼り続けていたり、長時間水につけていたりすると、かえって感染や炎症をおこし、治るのを妨げる場合もあり注意が必要です。
市販医薬品での皮膚トラブルの治療は、その限界も十分理解した上で行い、思うような効果が得られなかった場合は早めに皮膚科医へご相談ください。