ラジオ番組 みんなの健康ラジオ
2026年4月16日放送
今日は寝汗についてお話しします。
寝汗は中高年の10人に1人にみられる比較的よくある症状です。
原因としてもっとも多いのは、寝室の環境の問題です。汗の大きな役割は体温を下げることですから、眠る時に温かくしすぎると寝汗をかいてしまいます。眠る際の適切な室内温度は16度から22度、ベッド内温度は31度から33度と言われています。特に高齢者では室内温度が24度を超えると自律神経機能の障害や心拍数の増加が生じるため24度以下にすることが望ましいと言われています。
ある研究では65歳以上で寝汗が出現した人と出現しなかった人との間では寿命に大きな差はないことが知られています。しかし、寝汗は様々な病気のサインであることがあり注意が必要です。ポイントは同時に見られる体の異変がないかに注目することです。
寝汗をかくだけではなく、ダイエットをしていないのに体重が減っているときにはいち早くかかりつけ医に相談してください。
目安は6か月で5kgあるいは5%減っている場合です。体重が減る中でも体重が減りつづけているときは特に注意が必要です。このような場合には、悪性リンパ腫という血液のがんや結核などの慢性感染症の恐れがあります。
首や腋の下、太腿のつけ根のリンパ節が腫れていないか、胸のレントゲン写真、基本的な血液検査で異常がないかをかかりつけ医に判断してもらい、疑いがあれば専門医に紹介してもらいましょう。
また、途中で目が覚め、着替えをしても寝付けず、食欲がなく体重が減っている場合には、うつ病が疑われます。悪性リンパ腫や結核などの体が冒される病気では、体の消耗があるのでむしろ体を回復させようと睡眠は正常に保たれます。たとえ、寝汗で着替えるために起きたとしても、着替えた後は速やかに寝付けます。
一方で、うつ病では再び寝付くことが困難で、元気な時よりも早く目が覚めてしまうのが特徴ですので区別ができます。
2026年4月23日放送
今日は、一刻を争うものではないが治療すべき病気についてお話しします。先週は寝汗をかきつつ体重が減っている時には重症な病気の可能性があることをお話ししましたが、逆に体重が増えているときにも寝汗をかくことがあります。
肥満だけでも寝汗をかきますが、午後になると耐え難い眠気が生じ昼寝をせずにはいられない、あるいは寝落ちしてしまう、その後目が覚めたときスッキリと感じる場合には睡眠時無呼吸症候群が疑われます。夜間に頻尿となったり、起床時の頭痛がみられたり、薬がききづらい高血圧を伴うこともあります。
かかりつけ医に相談すると簡易検査ができると思います。必要に応じて眠るときに呼吸補助の機械をつけると改善します。
もう一つは、食後に悪化する胸焼け,喉の違和感、慢性の咳、動かしても悪化しない背中の痛みや耳の後ろの痛みなどを伴うときは逆流性食道炎を疑います。内視鏡検査で確認後に、プロトンポンプ阻害薬やカリウムイオン競合型アシッドブロッカーなど治療効果の高い内服薬で改善します。
体重の増減にかかわらず38℃以上の高熱が続く場合には、動脈炎など免疫の異常に関わる病気の可能性がありますので、まずはかかりつけ医に相談の上、病院の総合診療科をご紹介していただくと良いと思います。
また、内服している薬が原因の場合もあります。痛み止めや解熱剤、ステロイド、甲状腺機能低下症の治療薬、咳止め、花粉症治療に用いる抗ヒスタミン薬、糖尿病治療のためのインスリンや一部の内服薬、高血圧の薬ではアンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬やβブロッカーなどが寝汗の原因となることがありますので、かかりつけ医にご相談されることをお勧めします。