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人生会議について

2024年7月18日放送2024年7月25日放送

2024年7月18日放送

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2024年7月25日放送

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2024年7月18日放送(放送内容 資料はこちら

人生の最終段階をどう過ごしたいかを元気なうちから考え、希望する医療・ケアについて家族や大切な人と話し合う、「人生会議」についてお話します。

いつでも、誰でも、命に関わる大きな病気やケガをする可能性があります。命の危険が迫った状態になると、約70%の方が、医療やケアなどを自分で決めたり、痛みを人に伝えたりすることができなくなると言われています。
医療の現場では、自らが望む人生の最終段階における医療・ケアについて、前もって考え、医療・ケアチーム等と繰り返し話し合い共有する取組を「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」と呼んでいます。

「人生会議」とは、医療現場で語られてきたACPという考え方を国民全体で共有するために考えられた通称です。

こういう話を聞くと「また終活の話か」とか「あ~縁起でもない。なるべくそんなこと考えずに逝きたいよ」と考える方もいるかもしれません。心臓マッサージをするしない、人工呼吸器をするしない、胃ろうをするしない、といった書類を書くことを連想する人もいるかもしれません。
しかし、それは誤った認識です。
そのような書類を事前指示書と呼びますが、その書類を完成させるのが「人生会議」ではありません。

人生会議は話し合い自体が重要です。医療処置や最期の場所を決めることが主な目的ではありません。
「どうしてその医療処置を望むのか?望まないのか?」「どうして最期は家で過ごしたいのか?病院で過ごしたいのか?」こういうことの理由を考えることで自分の本当の想い(価値観や大事にしたいこと、大事にしたい人)が見えてくるかもしれません。人生会議は自分自身がよりよく生きるために行いましょう!

2024年7月25日放送(放送内容 資料はこちら

「延命治療は望んでないんだから、人生会議なんかしなくていいよ。私はぽっくり逝くからいいんだよ」と言う方がいらっしゃいます。実は、「延命治療などしたくない方」こそ人生会議が必要なのです!!

「延命治療は望まない」では医療者は患者さんの本当の望みはわからないのです。

例えば、「急病時の救命的な治療」「人工呼吸器治療」「栄養の点滴」「抗がん剤治療」、これらを延命治療と考えている人もいるし、そうではないと考える人もいます。状況によって、これらの治療は延命治療的にもなるし、救命治療的にもなるのです。

もし、今日の帰りに、意識不明で倒れたとすると、救急車で救急病院に運ばれます。懸命の治療で一命を取り留めました。しかし、残念なことに、もう2週間意識が回復しません。回復を目指して、栄養療法が続いていますが、1か月、3か月、半年と過ぎました…ということが起こり得ます。
多くの人々は「バタリと倒れたら、救命治療をしてほしい。でも意識不明で栄養療法だけ継続される医療は延命治療的であるから望まない。」という考えなのではないでしょうか。

「延命治療」を望まないのならば、自分は「どんな状況を延命治療と考えるか?」を考えるのが大事です。
「私は、認知症になって、家族の顔がわからない状態で、自宅で看てくれる家族もいなくて、施設で栄養だけ入れられるような状況を延命治療と考えます。」「私はそういう延命治療を望みません。」ということでしたら、周囲もよく理解できます。
「人生会議」とはこのような内容を家族や医療介護従事者と共有することです。自分で判断ができないような状況になっても、周囲があなたの意思を推定して、あなたの望むような医療ケアが提供されるようにしてくれることでしょう。

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