ラジオ番組 みんなの健康ラジオ
2024年2月15日放送(放送内容 資料はこちら)
接触皮膚炎とは
かぶれです。特定の物質に直接触れることで皮膚に炎症が起きる病気です。
種類は
酸、アルカリ、溶剤など皮膚に触れる物質の刺激が強いために生じる刺激性接触皮膚炎と、皮膚に触れる物質にアレルギーがある場合に起こるアレルギー性接触皮膚炎があります。また、特定の物質に触れた後紫外線に当たることによって起こる光アレルギー性接触皮膚炎があります。刺激性接触皮膚炎は多くの人に起こり、接触後短時間で症状が出ますが、アレルギー性接触皮膚炎はその物質にアレルギーのある人だけがかぶれ、接触後48時間位で発症します。
好発部位は
発症しやすい部位は接触部位全てです。手で色々な物に触れた後あちらこちら触り、顔、陰部など他の部位に発症する事もあります。アトピー性皮膚炎の人は外部の物が皮膚に侵入するのを防ぐ働きが障害されているためかぶれやすいです。
症状は
刺激性接触皮膚炎は痛むことがあります。アレルギー性接触皮膚炎は特定の部位に限定された赤み、水疱、腫れ、とてもかゆくしばしば境界が明瞭です。
診断は
詳しい問診をして、原因物質と考えられるものを皮膚に貼って皮膚の反応を調べるパッチテストを行います。数回通院しなければなりませんが、原因物質との接触を続けていると接触皮膚炎症候群など重症になることがありますので受けて原因を確かめることをお勧めします。さらにジャパニーズスタンダードアレルゲンと言って多くの人がかぶれやすいものをまとめて検査することができ、原因を知るのに有用です。陽性に出た場合は成分を分離してさらに調べるとよいのですが、製造業者の協力や専門機構の分析が必要です。
治療
原因を避け、ステロイド外用剤、抗アレルギー剤の内服を行います。必要な場合は防御、代替品を使用します。原因が見つかれば完治する病気です。
2024年2月22日放送(放送内容 資料はこちら)
接触皮膚炎の原因は
接触したすべての物に原因の可能性があります。注意しなければいけないのは今までずっと触れていてかぶれていなくても、接触しているうちにアレルギーになり、これを感作されると言いますが、突然今回からかぶれるようになる事があるということです。
かぶれ易いものとそれぞれの特徴は
まず、漆、銀杏、サクラソウなどの植物です。水やりだけでもかぶれることがあります。症状が強く、呼吸困難を起こすこともあり、顔腕などの線状の赤み、腫れ、水疱が特徴です。
次は毛染めです。毛染めをした人の約1割にみられると言われています。頭皮には皮疹がなく、耳、顔、手に目立つ事もあります。パラフェニレンジアミンという物質が原因の事が多いのですが、これにアレルギーがあると麻酔薬、美白化粧品、パーマ剤、衣料染料にも合わない可能性があります。どうしても毛染めを希望する場合は使用可能なものもありますが、パラフェニレンジアミンが少量混ざっていることもあるので気を付けてください。
次は金属です。歯科治療、アクセサリー、ビューラー、歯間ブラシ、眼鏡フレーム、イヤホン、バイオリン、フルートなどの楽器、携帯電話、缶飲料、金属コーテイングアイシャドウなど金属に接触する機会は多いです。貴金属は成分が汗で流れ出た時に生じるため夏に多く見られます。また、革製品によるかぶれは金属鞣しによる金属アレルギーの可能性が高いです。
その次はゴムです。手袋、携帯カバーなども原因となり、アナフィラキシーを起こすこともあります。
シャンプーによるかぶれもよくみられます。アトピー性皮膚炎と思っていたら実はシャンプーのかぶれだったこともあるそうです。シャンプーは流れるため額、生え際、両耳、あご、頸部に発疹が見られることが多いです。
日焼け止めによるかぶれは、紫外線吸収剤を含まないものを使うことで防げます。紫外線吸収剤アレルギーは麻酔薬、抗炎症剤、香料にもあわない可能性があります。
治療のための外用剤、点眼薬でかえってかぶれてしまうこともあります。湿布薬によるかぶれは紫外線に当たるとでることが多いです。
最近増えてきたものにジェルネイルがあります。揮発性のアクリルモノマーが原因の事が多く眼瞼を中心とした顔に発症します。手芸玩具キット、歯科治療にもかぶれるようになります。また、マスクは化粧品によるかぶれを起こしやすくし、ウレタンマスクはかぶれやすいです。冷却用品、ウエットティッシュ、などに含まれる防腐剤によるものも増えています。
その他化粧品、抗菌製品、プラスチック、洗剤、柔軟剤などまだたくさんありますが、接触したもの全てを疑う事が大切です。