ラジオ番組 みんなの健康ラジオ
2024年1月18日放送(放送内容 資料はこちら)
まず子宮頸がんとは子宮の頚部という子宮の入り口に近い部分にできるがんです。
子宮頸がんのほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因であることがわかっています。このウイルスは性的接触により子宮頸部に感染します。
このウイルスに持続感染があると、一部の人は異形成とよばれる前がん病変を経て、数年以上をかけて子宮頸がんに進行します。
手術には、子宮の入り口を切り取る手術や子宮をとる手術があります。それにより、妊娠した時に早産のリスクが高まったり、子宮を失うことで妊娠ができなくなったりすることがあります。
さて、がんというと高齢にかかる病気のイメージがあるかと思いますが、子宮頸がんは20代から上昇し40代でピークを迎えます。まさに若い世代のかたにこそ受けていただきたい検診なのです。
がん検診は20歳になったら2年に1度の検診と一般的には言われています。
ただ望ましくは健診とあわせて、子宮、卵巣の病気の早期発見のための超音波検査を含めて1年1度婦人科の定期健診を受けていただくようにお話ししています。
超音波を見ることで筋腫や内膜症、卵巣腫瘍や卵巣がんのチェックができます。
検診に抵抗のある方も多いと思いますが、あまり痛みを伴うことはなく、あっという間に検査は終わります。超音波も1分程度で終わるものです。イメージだけでなかなか受けるチャンスがなかった方も、こんな簡単な検査なら悩まずに早く受けていればよかった!という声もよく聞いております。
子宮頸がんは早期のうちに発見し、手術などの治療を受ければ多くの場合、命を落とさずに治すことができる病気です。横浜市では2年に1度、がん検診の補助がありますのでぜひご利用ください。
そして子宮頸がんは予防手段のあるがんでもあります。
次回は子宮頸がんワクチンについてもお話しします。
2024年1月25日放送(放送内容 資料はこちら)
前回は子宮頸がんと早期発見のための検診の受診の勧めについてお話しました。今回は子宮頸がんワクチンについてお話していこうと思います。
この子宮頸がんのほとんどはヒトパピローマウイルスが原因といわれています。
このウイルスは性交などにより女性の多くが一生に一度は感染するといわれています。感染しても、ほとんどの人が自然に消えていきますが、一部の人で消えないままがんに進行してしまうことがあります。
ウイルスにかかってしまうと、自然に消えてくれることはあるのですが、このウイルスに対する治療薬は残念ながら現在はありません。ですので、感染前に、要するに初めての性交渉の前にヒトパピローマウイルスのワクチン(子宮頸がんワクチン)を接種することが大切になってきます。
現在、小学6年生から高校1年生相当の女の子が公費(無料)で接種できます。
一時副反応の観点から日本では接種を控えていた時期がありましたが、因果関係はないと判明し現在は積極的にワクチン接種をお勧めしています。ワクチンを控えていた方も、平成9年から平成19年生まれまでの方はキャッチアップとして公費で受けることができます。ただし令和7年3月末までの期限がありますので、早いうちに接種をしましょう。
現在公費で受けられるようになったシルガード9という9価のワクチンは子宮頸がんになりやすい従来の16型と18型に加え、他5種類のHPVの感染も防げるため、子宮頸がんの原因を80~90%防げるといわれています。
ただワクチンを打ったら、子宮頸がんの検診を受けなくてもいいわけではありません。ワクチンを打っても打たなくても2年に1度は子宮頸がんの検診を受けるようにしましょう。