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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

変形性膝関節症

2023年8月31日放送2023年9月7日放送

2023年8月31日放送

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2023年9月7日放送

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2023年8月31日放送(放送内容 資料はこちら

変形性膝関節症は膝関節表面の軟骨が年月をかけてすり減ることにより、関節内に炎症が起きたり、関節が変形して痛みを生じる病気です。国内では約 1000万人の患者がいると言われています。
中高年の女性に多く、年齢を重ねるにつれて患者数は増えていきます。

変形性膝関節症の初期は、立ち上がった時に膝にずきっと痛みが走ったり、階段特に下りで痛みを感じたりします。また、しゃがむ、正座をするなど膝を深く曲げたときに違和感や痛みがでるのも初期の症状です。

徐々に進行してくると痛みの頻度が高くなり痛みの持続時間が長くなります。多くの場合、痛みは膝の内側にでます。膝は完全に曲がらなくなり伸びなくなってきます。膝に水がたまったり、曲げ伸ばしでゴリゴリといった音を感じることもあります。

さらに進むと日常生活に支障が起こるほどの痛みになります。そのため、 仕事、買い物、旅行などの活動が思うようにできなくなり活動範囲がせばまります。特に高齢の方は外出がおっくうになり、寝たきり予備軍になることもしばしばあります。膝関節は変形が進むと外から見てもわかるくらい変形が進んできます。多くの方はO脚変形いわゆるがに股になります。

このような症状で病院にかかると、医師は患者様から痛みの具合や日常生活の活動量を聞きます。そして、膝の曲げ伸ばし具合や歩く姿をチェックします。また、レントゲン検査をすると軟骨のすり減り具合が分かります。これらを基に変形性膝関節症を診断して治療を行います。

2023年9月7日放送(放送内容 資料はこちら

変形性膝関節症の治療の目的は、痛みを和らげ、膝関節の機能を高めることです。治療は手術をしない保存的療法と手術療法に分けられます。

保存的治療では、痛み止めなど薬物療法、温めたり電気治療などの物理療法、膝サポーターや足の中敷きなどの装具療法、ダイエットや筋トレなどの運動療法の4つが基本です。これらの治療で痛みが緩和されずに生活に支障をきたす場合には手術治療もあります。

手術療法で最も一般的なのは人工関節置換術ですが、O脚を矯正する手術や関節鏡を使った手術などもあります。
どの治療を選択するかは一人一人の症状やライフスタイルによって変わります。効果には個人差や相性があり、一概にどの治療が優れていると言い切ることはできません。

しかし、日本をはじめ世界的な整形外科の学会では世界中の研究結果を集めて検証し、個々の治療に関しての推奨度を公表しています。
この中で世界的に強く推奨されているのは標準体重を超過している人の減量、持続的定期的な筋力強化訓練および有酸素運動、疼痛軽減のための杖または手押し車の使用、必要最小限の鎮痛薬の使用です。
また、保存的治療で満足な結果が得られない場合の人工関節置換術は世界的に強く推奨される治療となっています。医師から手術を勧められた方は頭ごなしに拒否するのではなく落ち着いて考えてみるのもよいでしょう。

近年では軟骨の再生治療も行われるようになってきています。今のところ健康保険はききませんので比較的高額な治療になります。再生医療に興味のある方は費用や効果について担当医と十分に相談をしたうえで判断されることをお勧めします。

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